キャベツ農場にIoTカメラ2号機も設置しました
はじめに
2022年10月に1号機を設置してから約半年がたちました。一冬越しましたが今日も元気に写真を送り続けています( ´艸`)。
1号機の評価を通じて色々と改善点や追加すべき機能が見えてきましたので2号機を作る運びとなりました。
この装置は露地物野菜の育成管理が主な目的ですが、その応用として電気が取れないところで毎日決まった時刻に数枚の写真を撮影して送って欲しい!といった目的に適します。例えば、工事現場の進捗管理などにも応用できます。
こんなこと出来ますか?といったご相談をいただけたらすぐに検討させていただきます。また、いろんな露地物野菜の育成管理でご意見・ご質問もお受けしていますのでお気軽にご連絡いただけたら嬉しいです。
改良点はここ!
2号機の設置写真はこんな感じです。幾分、不格好ですが・・・
2号機の改良点は次の5項目です。
<改良点1>
パンチルトカメラ(上下左右方向に首振り可能なカメラです)を屋外用の物に交換しました。また、解像度も207万画素から365万画素へアップしました。
<改良点2>
1号機の装置取付支柱は当社製の危機管理型水位計(河川の氾濫監視を行う装置です)の支柱を使いましたが、重いし、一度設置したら動かせないという問題が有りました。そこで、ホームセンターで単管パイプや単管ブロックを購入してDIYしました。こうすることで安価・軽量・移動可能といったメリットがあります。
<改良点3>
太陽光エネルギーを蓄えるバッテリーは、1号機では本体ケース(柱に括りつけている白いケース)の中に入っていましたが、2号機は装置の外に出して電池専用ボックスの中に入れました。上の写真の地面に直置きしている黒いケースです。こうすることで本体ケースを小さく軽く出来たので移動しやすくなりました。
電池専用ボックスはそこそこ大きいですがバッテリーは小さいので中はスカスカです。しかし、将来もっと電力が必要になった時にソーラーパネルを大きくしてバッテリーも大きくして・・・ということが簡単にできるのは魅力です。
<改良点4>
気温を測る温度計と地中の温度を測る温度計を追加しました。地中温度を測る温度計は写真のように30cmのステンレス管にしていますので決まった深さの温度を測りたい場合に簡単に設置することが出来ます。
<改良点5>
植物の生育には日照時間が大変重要なファクターとなります。市販の日射センサーを用いる方法もあるのですが結構高い・・・ので、当社で日射センサーを内製化し安価にご提供できるようにしました。
観測結果はこんな感じです。
<静止画像>
1日のうち、決められた時刻に決めた方向の写真を撮ってクラウドへアップしますので、クラウド内に保存された写真で現地の様子を見ることが出来ます。
キャベツ畑の試作機では、毎日10時、13時、16時にそれぞれ3枚ずつ写真を撮影しております。例えば4月8日の写真は以下の様子でした。1台のカメラで幾つかの方向を常に監視できるのは便利ですね。キャベツ畑では3枚の設定でしたが、5~6枚の写真を少しずつ角度を変えて撮影するとほぼ360度見渡せます。データの送信量・保存量、及び装置の使用電力が増えますので極端に枚数を増やせませんが多少の調整は可能です。
<気温・地温>
気温や地温は10分間隔で測定しますが、画像をクラウドへ送信するタイミングで一緒に測定データをクラウドへアップするようにしています。
気温・地温については生育期間を通して確認できるようにCSVファイルにてデータを取得できるようにしていますが、2日単位または1週間単位で画面で温度変化の様子をブラウザで確認することも出来ます。
4/2~4/8の観測データをグラフで示します。
<日射量>
日射量も気温・地温と同じ測定間隔で観測しています。4/2~4/8の観測データをグラフで示します。
<最後に>
現在は、露地物野菜の生育管理を目的に試作機を設置しお客様と一緒に装置の改良を進めています。しかし、装置は設置することが目的ではなく野菜の収量を向上することが目的ですので、観測された気温・地温・日射のデータと収量の関係を明らかにしていくことがもっと大切です。また、必要に応じて収量に影響する他の要素(例えばCO2濃度や土壌状態)を観測するセンサーを追加することも考慮する必要がありそうです。
本装置はいろんな使い方があると思いますが、実際に設置しデータを積みあげながら装置のカスタマイズを図っていく事がよりよい結果を生み出すと思われます。設置した2号機をベースに継続して評価を進めていきたいと考えています。
本記事を最後まで読んでいただいて有難うございました。露地物野菜の育成管理で試してみたい、または、他の使い方だけど試してみたい、などのご興味がありましたら気軽にご連絡頂けると幸いです。